感染猫
子猫の段階での隔離が最も有効な予防手段と言われています。抗体陽性の集団に生まれた子猫は、4週齡以降隔離すれば感染から守られると言われています。もちろん、これで100%完全ではなく、それ以前に感染する場合もありますが、かなり効果はあると考えられます。また、新規に猫を導入する際にはFCoV抗体陽性のものを家の中に入れないのが最も効果的でしょう。
環境
FCoVは猫の体外では不安定であり、室温では数分から数時間で感染性を失います。太陽光線、紫外線照射、熱などでは容易に不活化され、56℃でも数分で感染性を失います。このウイルスは、ほとんどの消毒薬に感受性であり、次亜塩素酸ナトリウム、ホルマリンをはじめ、アルコール、洗剤、第4級アンモニウム塩などで失活します。環境中の消毒は、次亜塩素酸ナトリウムまたはホルマリンの使用が有効です。しかし、猫の糞便から別の猫の口へ、あるいは人間が運ぶことにより、容易に感染するため、感染の鎖を切ることは容易ではありません。
ワクチン
米国で市販されているワクチンがありますが、有効性は十分に確立されていません。米国猫専門医協会(AAFP)はこのワクチンの使用を推奨していません。
人間や他の動物への影響
FIPVを含むFCoVは人間には感染しません。猫のコロナウイルスがSARSコロナウイルスと関係しているという証拠もありません。 |