感染猫
最も効果的な予防法は、感染猫との接触を断つことです。このためには、古くから、検査による陽性猫の検出と隔離が、最も効果的であることがわかっています。
ワクチン
接触を断つ予防法が徹底できない場合、ワクチン(図7)を使用するという選択肢もあります。特に4カ月齢未満の猫は、感染すると持続感染になる可能性が高いため、感染の危険があるならば、ワクチンの使用が勧められます。それより年齢が進んだ猫でも、感染猫と同居するような場合、ストレスで感染しやすくなっていますので、ワクチンを使用するのがよいでしょう。FeLVワクチンには副作用もあります。注射部位が腫れたり、痛みを伴ったり、あるいはまれに長時間かかって悪性腫瘍(肉腫)が起こることもあります。これはFeLVワクチンに限ったことではなく、様々なワクチンや注射全般に関連して発生するので、むしろ猫の過剰な反応と考えられます。したがって注射後は、腫れなどに注意して、腫れが続く場合には適切な処置を行えば、悪性腫瘍の問題は回避できるでしょう。FeLVワクチン接種が必要とされる症例では、8週齢以降に初年度は2回、その後年1回接種します。接種前に必ずウイルス検査を行い、感染していないことを確かめてからにします。また、感染防御効果は100%ではないため、毎年の再接種の時期に、ウイルスの再検査も行った方がよいでしょう。
環境の消毒
家庭内での感染の予防には、石鹸やアルコールで手を洗い、人間がウイルスを運ばないようにすることが大切です。感染猫の使用した敷物などは廃棄したり洗濯します。
人間や他の動物への影響
FeLVが人間を含めた他の動物に感染するという証拠はありません。人間の血清成分中にはFeLVを不活化する成分が存在することがわかっているため、万一感染猫に咬まれても、人間が感染する恐れはないと考えられています。 |